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【研究等支援基金】感謝のメッセージ

研究等支援基金では、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」に基づいて実施する、「YNU-SPRING」への支援を実施しています。

優秀な博士人材が多様なキャリアで活躍できるよう導くことを目的に、科学技術・イノベーションの将来を担う優れた博士課程後期学生に対して、研究奨励費及び研究費等を支給するとともに、博士課程後期学生が主体的に既存の枠組みを越えて自由で挑戦的・融合的な研究を行うことができる環境整備、キャリアパスの形成に向けた人材育成プログラムを支援します。

YNU-SPRINGに参加した学生からの感謝のメッセージです。

環境情報学府 2023年度入学

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(2025年6月掲載)
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モーションキャプチャによる歩行計測

研究テーマについて
私は高齢化社会における「転倒による労働災害の予防」に貢献することを目的に、運動機能の評価手法に関する研究に取り組んでいます。特に、椅子から立ち上がるという日常的な動作に着目し、その動作中の筋力やバランス、柔軟性などを効率的かつ正確に評価する方法を開発しています。深度センサ付きカメラを用いることで、身体に触れることなく3次元的な動作データを取得し、必要最小限のテストで多様な運動機能を数値的に把握できる点が特徴です。また、AI技術を用いて、少ないデータからでも高い信頼性を持つ評価を実現する手法にも取り組んでいます。この研究は労働現場での安全対策にとどまらず、医療や福祉、さらには地域住民の健康維持にも広く応用できる可能性を持っており、健康寿命の延伸に貢献できると考えています。

基金による支援事業を活用した研究活動及び成果について 
大学基金によるご支援を活用し、深度センサ付きカメラや身体機能測定用の機器を整備することができました。これにより従来に比べて短時間で多くのデータを収集できるようになり、被験者の募集や協力依頼も円滑に進められるようになりました。また、深度センサカメラを用いることで、身体に触れずに動作を計測できる非接触型の評価が可能となり、現場での導入に向けたシステム開発にも大きく貢献しました。こうした研究基盤の整備は、高信頼な運動機能評価法の実現に直結しており、今後の実用化や社会実装に向けた大きな一歩となっています。

寄附者の皆様へ感謝のメッセージをお寄せください
このたびは、貴重なご支援を賜り、誠にありがとうございます。皆様からのご寄附により、研究に必要な設備を整えることができ、現場に役立つ成果へとつながる一歩を踏み出すことができました。日々の研究活動を支えてくださっていることに、心より感謝申し上げます。今後も社会に貢献できる研究を着実に進めてまいりますので、引き続き温かく見守っていただけますと幸いです。

理工学府 2024年度入学

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(2025年6月掲載)

研究テーマについて
私が研究しているのは素粒子物理学と呼ばれる分野で、この分野では自然界に存在する4つの力(「強い力」、「弱い力」、「電磁気力」、「重力」)の統一する究極の理論を目指した研究が行われています。特に私は、ニュートリノ振動という現象を用いた新物理探索のための理論研究をしています。ニュートリノという素粒子には未解明な性質が多く残されており、ニュートリノの謎の解明は究極の理論の完成のための重要な要素になります。加えて、ニュートリノ研究から現在の宇宙そして我々人類がなぜ存在しているのかを解明する手掛かりにもなります。

基金による支援事業を活用した研究活動及び成果について       
YNU-SPRING学生に分配される研究支援基金を活用し、2024年にアメリカ・アルゴンヌ国立研究所で開催されたニュートリノ物理学周辺分野の国際会議であるNuFact 2024にて研究発表を行うことができました。さらに、アメリカ・フェルミ国立加速器研究所に訪問・滞在し、様々な研究者と交流することができ自分の研究に関する知見を深めることができました。

寄附者の皆様へ感謝のメッセージをお寄せください
研究者にとって研究発表の場は自身の研究成果のアピールや他の研究者との交流のために非常に重要です。それが規模の大きい国際会議となると、学際的・国際的の両方の面で交流が広がり、異分野の知見や多様な視点を取り入れる貴重な機会となります。研究支援基金を活用することで、学生の立場で国際会議に参加し貴重な経験を得られました。昨今の経済情勢により海外出張が難しい中、寄付金の存在によってそれが可能となり研究者として必要な素養が身に付けられます。今後も引き続きご支援いただけますようお願い申し上げます。

理工学府 2023年度入学(理工学部/2017年度入学,理工学府博士課程前期/2021年度入学)

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(2025年6月掲載)

研究テーマについて
セラミックスの信頼性について、数値解析技術を用いて検討しています。セラミックスは優れた耐熱性や比強度から構造用部材としての利用が期待されていますが、確率的な破壊挙動を示すため、部材強度にはばらつきが生じ、さらに部材が大きくなるほど破壊しやすくなるという寸法依存性も認められます。これに対し従来は、標準試験で得られた強度やそのばらつき特性が材料固有の共通指標として用いられてきました。私の研究では、強度ばらつきの要因である「欠陥分布」を共通指標とする新たな信頼性評価スキームを提案しています。

基金による支援事業を活用した研究活動及び成果について
YNU-SPRING研究費を数値解析用PC購入費の一部として活用させていただきました。その甲斐もあり、上記の成果をまとめた論文が材料科学・セラミックス分野のQ1学術誌に採択されました("Reliability evaluation scheme for ceramics based on defect size distribution inversely estimated from standardized tests", Journal of the American Ceramic Society, (2025), e20660)。

寄附者の皆様へ感謝のメッセージをお寄せください
この度はご支援いただき、誠にありがとうございました。研究費の拡充は、更なる成果の創出にとどまらず、それらを広く発信するうえでも非常に重要であると実感しております。また、私のような学生にとっては、研究費の管理を通じて研究者として必要なスキルを身につける貴重な機会となりました。今後も引き続きご支援いただけますと幸いです。皆様にいただいたご恩は、今後の研究活動を通じて社会へ還元できるよう、より一層精進してまいります。

都市イノベーション学府 2023年度入学

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(2025年6月掲載)
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フィールドワーク先

研究テーマについて
私は、ワークキャンプという、労働(協働作業)と宿泊(共同生活)を伴う合宿型のボランティア活動に着目しています。ワークキャンプは1920年のフランスの平和運動を初発として、日本においても、1923年の関東大震災を契機とした復旧活動を初発として、長い歴史と豊富な実践蓄積を有します。一方、研究蓄積は乏しく、特に地域社会に対するワークキャンプの影響については、ほとんど検討されてきませんでした。現在私は、地域社会のなかで脆弱な立場に置かれる、限界集落の再生を目的としたワークキャンプを対象に、その分析を進めています。本研究では、こうしたワークキャンプが、現代社会に浸透する新自由主義への潜在的な抵抗装置となり得るという視点から、その現代的意義を検討しています。

基金による支援事業を活用した研究活動及び成果について
現在、石川県加賀市に位置する限界集落において、フィールドワークを実施しております。皆様からのご支援により、月に2回以上の頻度で現地を訪問することが可能となり、継続的かつ密度の高い調査活動を行なうことができています。当該集落は、定住者がひとりのみであり、地域の実態を把握するには、定住者だけでなく、集落に関わる非定住者への調査も不可欠です。来訪頻度を高めることができた結果、非定住者とも関係構築が進みました。

寄附者の皆様へ感謝のメッセージをお寄せください
日頃より、多大なるご支援賜りまして、誠にありがとうございます。ご支援頂いたことで、フィールドワーク先への来訪頻度をあげることができただけでなく、日常生活においても、経済的な不安が軽減され、研究の質・量ともに向上することができております。心より御礼申し上げます。また私以外にも、博士課程に進学するに際しては、経済的な不安を抱えている学生は少なくありません。博士課程への進学者を増やしていくという観点からも、皆様からのご寄付は、今後さらに重要になってくると感じます。今後とも、変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。